ウィーンでテロが起きました。
イスラム国が犯行声明を出してます。
犯行声明の画像です。
出所 :
イスラム国系列の通信社、
Amaq news agency
何を言ってるのか?については、以下より書いていきます。
まずは、日本語の基本情報です。
情報出所 : 朝日新聞デジタル
記事タイトル :
ウィーン銃撃、ISが犯行声明 「30人の侵略者殺傷」
2020年11月4日 09時26分
サラートP永山が、簡潔にまとめます。
●テロ現場は、オーストリアの首都ウィーン中心部。
●銃撃により、市民4人が死亡。
●警察官1人を含む20人以上が負傷。
●「イスラム国」は3日、系列のアマク通信で、「ISの戦闘員が実行した」という犯行声明を出した。
●声明文の内容 :
「1人の兵士が30人の侵略者を殺傷した」と強調。
攻撃実行者として、自動小銃、短銃、なたのような武器を持つ男の写真を掲載。
2日夜の事件では、現場で射殺された容疑者も同じような装備だった。
投稿されたウェブサイトには、この男が「ISは神の意思とともにある」などと語る動画もあった。
●オーストリアのAPA通信の発表 :
容疑者は北マケドニア系オーストリア人の20歳の男。
イスラム国に参加するため、シリアに渡航しようとしたため、昨年4月に実刑判決を受け、同じ年の12月まで刑務所に服役していた。
●テロ発生の様子 :
ユダヤ教の礼拝堂(シナゴーグ)付近で発砲し始め、バーにいた客らに乱射。
●オーストリア内務省の発表 :
現場の映像などから、銃撃は単独で実行したとみて捜査。
犯行声明の分析を進めている。
このニュースのURL :
https://www.asahi.com/amp/articles/ASNC4313PNC4UHBI001.html
◆
さらに詳しい海外ニュースの翻訳です。
情報出所 : Jakarta Post
(ほとんどロイターの報道と同じ)
記事タイトル :
Islamic State claims responsibility for Vienna attack
記事タイトルの翻訳 :
イスラム国のウィーン攻撃の犯行声明
Wed, November 4, 2020 07:54 am
以下より、本文の翻訳のまとめです。
犯人の男は、イスラム国のメンバーであることが確認された。
イスラム国系列の通信社、Amaq news agencyで、次の犯行声明が報じられた。
男の名前は、
"Abu Dagnah Al-Albany,"
現場は、ウィーンの中心部だ。
月曜日に、拳銃とナタを持ち、人混みの中を銃撃した。
イスラム国は、ウィーン攻撃の犯行声明のビデオを火曜日に、Telegramで公開した。
"Abu Dagnah Al-Albany"は、ウィーンの中心部で人混みにピストルとマシンガンを使って銃撃した。
その後、警察に銃殺された。
犯行声明の写真では、Albanyが、ピストルとマシンガン、ナタを持ち、彫刻された指輪をして、次の言葉を語っている。
"Muhammad is the messenger of Allah"
読み方 :
(学生なども見ることを視野に念のため)
ムハンマド イズ ザ メッセンジャー オブ アッラー
翻訳すると、
ムハンマドは、アッラーの使徒だ。
ここで言ってるメッセンジャーとは、イスラム教の宗教がらみの意味の使徒を指す。
シャハーダは、「アッラーフ(神)の他に神はなし」という部分と、「ムハンマドはアッラーフの使徒である」という前後ふたつの部分から成り立っている。
犯人は、シャハーダというイスラム教の五行のひとつを唱えてます。
シャハーダとは、 「アッラーフの他に神はなし。ムハンマドはアッラーフの使徒である。」 と、二つのことをアラビア語で唱えることです。基本的には、言葉が二つ必要なのです。
犯行声明では、まさにアラビア語で これを唱えたのです。
シャハーダは、「アッラーフの他に神はなし」という部分と、「ムハンマドはアッラーフの使徒である」という二つの部分から成り立っているイスラム教の教えの言葉です。
シャハーダは、これらの二本の柱で構築されてます。
イスラームの法学的解釈によると、最初のシャハーダの「アッラーフ(神)の他に神はなし」の部分は、ユダヤ教やキリスト教なども含めた唯一神、要は、広い意味の神を信仰することを宣言しています。
神は、時間や空間上のどこにも存在しないことを前提とした上で、唯一神のアッラーだけは例外で、受け入れてくれる幅が広いんだよ!という特殊な意味合いを持つ。
ふたつめのシャハーダの「ムハンマドはアッラーフの使徒である」の部分は、ムハンマドがアッラーフによって、アッラーフへの信仰(イスラームのこと)を絶対的なものだと確立する意味。
これを唱える行為は、アラブのすべての部族、人類全体に派遣された最後の預言者として、使徒(ラスール)であることを表明していることになる。
ユダヤ教徒やキリスト教徒とは違うよ!とハッキリと区別していて、特に、このふたつめのシャハーダによって、イスラム教徒(ムスリム)であることを強調して、宣言して、「絶対だ!」と誓っている意味がある。
そのため、ふたつを同時に宣言することによって、アッラーフのみを信仰する唯一神教であり、なおかつ、イスラム教徒であることを明確に表明する「信仰告白」になっている。
そのようなことを、世の中に表明する行為になる。
ムスリム(イスラム教徒)の前や、モスクにいる宗教指導者の前で、アラビア語でこれを唱えることが、ムスリムとなる最低限の条件になっている。
イスラム教に入信する時は、シャリーアによると、最低でも「公正な男性のイスラム教徒」2名を証人として立ち会いのもと、これを唱えなければならない。
これを犯行声明で言ったということは、今回のテロ行為は、イスラム教の考え方に突き動かされてることが、背景にあると読める。
犯行声明のビデオの中で、Albanyはイスラム国のリーダーの
Abu Ibrahim al-Hashemi al-Quraishi
に忠誠を誓っている。
Albanyの原点は、アラビアンだ。
犯行声明では、アラビア語を話していて、アラビアン以外の名前は確認されてない。
オーストリア当局によると、確認されたAlbanyの他の名前は、
Kujtim Fejzulai。
オーストリアと北マケドニア共和国の二重国籍の市民である。
2019年4月を含む 22か月間、刑務所に服役していた。
服役の理由は、イスラム国に参加するためにシリアに渡ろうとしたため。
この銃撃犯は、混雑したバーに銃撃した時に、警察に銃殺された。
◆
イスラム国の新リーダー、
Abu Ibrahim al-Hashemi al-Quraishiとは
読み方 :
アブイブラヒム・ハシミ・クラシ。
※ alは、アラビア語のtheと同じなので、読むときに省略されることもある。
以下より、長すぎる名前なので「クラシ」と書きますね。
暮らしを破壊するから「クラシ」と覚えると忘れにくいです。
2019年10月31日、イスラム国の報道で、カリフアブー・バクル・アル・バグダディがアメリカに殺害された後、1週間足らずで後任のカリフに就任したことが発表されている。
画像はクラシ。
出所 : CBS
ちなみに、クラシがアメリカへの報復を宣言しているビデオの情報です。
バグダディを殺害したので、アメリカを必ず報復する!破壊する!と言ってます。
出所 : THE STRAITS TIMES
記事タイトル :
ISIS vows revenge against US for Baghdadi killing
記事タイトルの翻訳 :
ISISはバグダディを殺害した理由でアメリカへの報復を誓った
NOV 2, 2019, 8:00 AM
このニュースのURL :
https://www.straitstimes.com/world/middle-east/isis-appoints-ibrahim-al-quraishi-as-new-leader-confirms-baghdadis-death
このニュースにクラシがアメリカへの報復を宣言して、顔出しで声明を話してるビデオがあります。
◆
以下は、ウィーン攻撃の犯人の銃撃中の画像です。
出所 : wars in the world
その画像のサイトのURL :
https://www.warsintheworld.com/index.php/2020/11/03/austria-islamic-state-isis-terrorist-group-claims-responsibility-for-vienna-attack/
このような犯人の襲撃中の画像・情報や、顔写真のサイトにヒットする検索のコツですが、
英語の場合、犯人の名前をキーワードにして検索して、画像のところを探すとヒットしやすいです。
日本語の場合、Twitterから探す方法も早いです。
テロは他の国でも起きてるので、同時多発テロのようですね。
考えられる原因は、アメリカ大統領選など、アメリカの大きな記念日のようなタイミングだからかもしれません。
イスラム教の断食のラマダンの時期だとテロが多いです。
アメリカを必ず報復する!とクラシが言ってるので、日本も危険です。
災害やコロナなどの感染症だけではなく、テロも警戒を忘れない方が良いですね。